常識と真逆の新理論 「一本の注射」で慢性的な痛みは消せる
神経ブロック注射も痛みの治療で使われるが、神経ブロック注射は炎症部分ではなく痛みが脳に伝えられる途中の神経に作用する。やはり軽微な炎症には効果がない。
「軽微な炎症にピンポイントで薬剤を効かせなくてはなりません。そこで注射で新生血管をつぶす作用のあるステロイド剤などを投与します。ステロイド剤は、通常使う量の4~8分の1と少量で、局所に使うので副作用の心配はありません」
重症例には、カテーテル(軟らかい極細チューブ)を血管内に挿入し、薬剤を直接投与する。注射の場合は2~3回で、カテーテルは1回で痛みが消え、その箇所については再発もまれだという。注射は保険適用。カテーテルは自費診療で、江戸川病院では1回12万円ほどになる。
痛みは生活の質を著しく下げる。何をしてもよくならない、という人は、この治療が「軽微な炎症があったかどうか」の判定にもなる。検討してはどうだろう。
▽新生血管とは
なんらかの原因で新しくできた血管のこと。もともとないものなので、除去しても問題ない。