傾斜0.6度でめまいや頭痛…“傾き住宅”に潜む「病気リスク」
日に日に騒ぎが大きくなる横浜市都筑区の“傾きマンション問題”。建物の安全性が懸念されるだけでなく、住人の健康に被害を及ぼす可能性もある。
傾きマンションは、住人が西棟と中央棟をつなぐ渡り廊下の手すりに約2センチのズレを見つけたことが発端となり、計9本の基礎杭が強固な地盤の支持層に届いていないことが判明した。床が1.5センチ傾いていたり、玄関扉が閉まりにくくなった住人もいて、建物の傾きの角度は0.3度弱ともいわれている。
傾いた住宅は、建物の強度に不安があるのはもちろん、住人の健康も脅かす。日本建築学会が発表している「液状化被害の基礎知識」のデータによると、人は床が約0.3度傾いていると傾斜を感じ、0.6度程度になると、めまいや頭痛などの健康障害が生じるという。2~3度で、めまい、頭痛、吐き気、食欲不振といった比較的重い症状が表れ、7~9度だと上記の症状に加え、強い疲労感、半数以上で睡眠障害が起こるという。
床にビー玉を置いて転がり出すのが約0・6度といわれている。それくらい微妙な傾きでも体調不良につながる恐れがあるのだ。