画期的「痛み緩和クリーム」で“注射嫌い”がいなくなる?
注射が嫌いな人にとって画期的なクリームが発売された。注射を怖がる小さな子供を持つ親は特に要チェックだ。
「子供の頃に受けた注射の痛みがトラウマになり、白衣が怖い、病院が嫌といった強いイメージができあがる。それが成人になってからも消えず、不調があっても病院に行くのを嫌がり、病気の進行を招くことがあります」
こう話すのは、JR東京総合病院麻酔科・痛みセンターの花岡一雄医師(名誉院長)だ。痛みは、「痛い」と思えば思うほどより一層強くなる。
「注射をはじめ外因性の『痛み刺激』が感覚器に与えられると、脳へ信号が送られます」
すると、筋緊張や血管収縮が起こり、局所の血流が乏しくなる。
「組織の酸素が欠乏して発痛物質の生成が促進され、より痛みを感じ、それがまた脳へ送られる。感覚器の痛みはアドレナリンの分泌などにかかわる副腎も刺激し、それが血管収縮につながり発痛物質の生成を促進します」
血液検査、ワクチン接種、インスリン治療、硬膜外麻酔、神経ブロック、血液透析……注射を受ける機会は数限りなくある。注射の痛みをなんとかできないかと開発されたのが、疼痛緩和クリームだ。