最新「緑内障」治療 点眼、レーザー、手術の3段階で改善
そして、チューブシャント手術。通常はミニチューブを含む濾過手術を何度か行い、それでも眼圧がコントロールできない場合に行う。結膜の下にチューブがつながったプレートを設置し、チューブを眼内に差し込むと、プレートの周りで炎症細胞が働き皮膜が作られる。その結果、房水がチューブを通って「袋(皮膜)」に運ばれ、そこから徐々に排出される。
これまで、濾過手術でうまくいかなければ、房水を分泌する毛様体にレーザーをあてて「破壊」する治療に進んでいた。その前のステップとして、チューブシャント手術ができるようになったのだ。
ただし、チューブシャント手術には問題点がいくつかある。
「感染症や、チューブの先端による角膜の障害のリスク、眼球運動障害などの合併症です。何より、ミニチューブと同様に、異物を長期的に置くことを疑問視する声もあります。慎重に行わなければならない治療であることは確かです」
重症の緑内障患者には、チューブシャント手術をやらずに、毛様体を破壊するレーザー治療をするケースもある。合併症などが少なく、外来でもでき、比較的患者の負担が少ないからだ。