夏風邪はなぜ長引くのか
よく夏風邪は長引くといいますが、真相は? 池袋大谷クリニック(東京都豊島区)の大谷義夫院長に聞きました。
「ひとつは、夏ならではのさまざまな要因で体が弱っているから。もうひとつは、実は風邪ではなく別の病気だったというパターンです」
夏ならではの要因とは、「暑くて食欲がなくなり、栄養不足に陥る」「寝苦しくて寝不足気味になる」「屋外と屋内の寒暖差で自律神経のバランスが乱れる」など。これらによって夏は免疫が低下し、風邪が治りにくくなるのだそうです。
「ただし、風邪は長くても10日間くらいで自然と治ります。それ以上、せきや微熱が続く場合は問題です。風邪だと思ったら、『夏型過敏性肺炎』だったという例があるのです」
夏型過敏性肺炎は、トリコスポロンというカビを吸入することで起こるアレルギー性肺炎です。トリコスポロンは気温25度以上、湿度60%以上で繁殖。家の中の湿気のあるところ、水回りやじゅうたんの下などに多く潜んでいます。
夏型過敏性肺炎のピークは7~9月で、秋になると症状が治まります。しかし、夏になると症状が復活し、重症化していく場合もあります。
「繰り返すうちに肺線維症になり、命を落とすケースも。せきや微熱が10日間以上続いたら、風邪ではないと考えて専門医を受診してください」
家の中にいるときだけせきが出るという人は、特に要注意!