はしか、結核、梅毒…忘れ去られた病気はなぜ広がった?
WHO西太平洋事務局によると、今年4月20日現在の人口100万人当たりの麻疹発生率は、多い順に、モンゴル2861.9、マレーシア70.4、中国24.0、シンガポール9.8と続いている。
「詳しい感染経路は分かりませんが、騒動前に発表された渡航歴のある麻疹患者の届け出状況を見ると、渡航先はモンゴルよりインドネシアが多い。今回、関空を利用して帰国し、千葉県内の外国人ミュージシャンのコンサート会場で複数の人に感染させた男性はバリ島に旅行していました」(都内の開業医)
■「多剤耐性結核菌」本格上陸は時間の問題
輸入感染症といえば、定番は毎年100人近くの日本人が罹患する「マラリア」や「肝炎」「狂犬病」「破傷風」など。ところが、このところ「日本では忘れ去られた感染症」が全国で散発しており、海外からの持ち込みがささやかれている。
そのひとつが結核だ。欧州で「白いペスト」と恐れられた結核は、抗結核薬の登場で、日本では過去の病気となりつつある。実際、「平成27年結核登録者情報調査年報集計結果」(概況)によると、日本の新登録結核患者数は1万8000人と減少傾向にある。