成人の2割が重度の悩み抱え…「慢性疼痛」治療最前線
だから、慢性疼痛とうまく付き合っていくには、単に薬で痛みを抑えるだけでなく、血流アップにつながる「体を動かす」ことが必要不可欠なのだ。それゆえに、前述の「患者の生活習慣を考慮」した治療が求められる。
薬や神経ブロックなどの次の選択肢としては、「脊髄刺激療法」が注目されている。特殊な機器を脊髄に埋め込み、微弱な電気を流し、痛みを和らげる。今年、「条件付きMRI対応」「非充電式」など“新スペック”を備えた機器も登場し、より注目度は高まっている。
「本埋め込みの前に試験的に使用する期間(トライアル)を設けるのですが、このトライアルだけでも慢性疼痛が軽減するケースが少なくありません。トライアルが治療の一環でもあるのです」
慢性疼痛は生活の質を著しく下げる。「どうせよくならない」と諦めず、専門医のもとで適切な治療を。