著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

脱毛の治療薬で男性機能は低下するのか?

公開日: 更新日:

 脱毛は男性の永遠の悩みのひとつです。健康保険の適用にはなっていませんが、男性型脱毛の治療薬として、2種類の飲み薬が処方箋薬として使用されています。「フィナステリド」と「デュタステリド」です。この2種類の薬はいずれも頭皮の男性ホルモンの作用を抑える薬です。男性ホルモンが脱毛の主な原因だからです。

 ただ気になるのは、全身で男性ホルモンの作用が低下すれば、男性機能も低下してしまう可能性があることです。基本的にはそうしたことがないように薬は作られているのですが全く影響がないとは言えません。

 実際に薬の臨床試験では、性欲減退が少なからず認められています。また、「脱毛治療薬を飲んでいて男性機能が低下し、薬を飲むのをやめても回復しなかった」という報告さえあるのですから、不安はさらに募ります。

 実は「薬による男性機能の低下」が科学的に調べられたことは、これまでにあまりなかったのです。今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という医学誌に、英国でこの問題を調査した結果が報告されています。

 それによると、1万人を超える調査によって、「脱毛治療薬の使用は男性機能とは関係ない」ことが確認されました。脱毛治療薬は、用法と用量を守って服用すれば、男性機能に大きな影響を与えないと思ってもいいようです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カンニング竹山がフジテレビ関与の疑惑を否定も…落語家・立川雲水が「後輩が女を20人集めて…」と暴露

  2. 2

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  3. 3

    東野幸治とハライチが春の番組改編で大ピンチ…松本人志、中居正広のスキャンダルでトバッチリ

  4. 4

    元兵庫県議の死をめぐり虚偽情報拡散…立花孝志氏は名誉毀損で立件なるか?若狭勝弁護士が見解

  5. 5

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  1. 6

    綱とり出直しの琴桜に必要な「脱・頭でっかち」…初場所の足を引っ張ったのは考えすぎる悪い癖

  2. 7

    TBS「報道特集」が検証…立花孝志氏が流したデマと恫喝の実態

  3. 8

    文春訂正で中居正広ファン分裂! 「本人は無罪」vs「悪質性が強まった」で大激論

  4. 9

    中居正広トラブルへの関与を改めて否定も…フジテレビ“当該社員”に「緊急異動」発令で社員ザワめく

  5. 10

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋