【変形性膝関節症】手術は膝関節を丸ごと取るわけではない
変形性膝関節症の手術は、「怖い」というイメージが強い。手術を受ける人の多くが中高年で、「失敗すると歩けなくなるのでは?」との不安がつきまとうからだ。実際はどうか? 「コンピューター支援システムによる新たな人工関節置換術」など先進医療を導入し、高い評価を得ている東京慈恵会医科大学付属病院(本院=新橋)整形外科の斎藤充准教授(診療副部長)に聞いた。
■入院期間は両足で20日~30日間
Q1 変形性膝関節症の患者の多くが、手術をしない「保存療法」に頼っているのは、手術が怖いというイメージが強いからですか。
「それは誤解です。変形性膝関節症の手術にひるんでしまう理由は、おそらく『関節をブロックで大きく切り出し、大きな人工関節を埋め込む』というイメージを抱いているからでしょう」
Q2 実際、どのような手術が主流を占めているのでしょうか。
「MRI(磁気共鳴画像装置)やCT検査で写した画像をコンピューターに取り込み、最適の骨切り位置が分かるガイド用の機器を準備します。これに合わせて骨を切り、残された骨に人工関節をきれいにはめ込みます。簡単に言いますと、虫歯など老朽化した歯の悪い部分を正確に削り、その後、金歯をかぶせて正常な働きをする歯に戻すと思ってください」