B型慢性肝炎の新薬登場 治療や副作用はどう変わるのか?
新薬TAFと従来薬TDFを比較したB型慢性肝炎患者の腎機能検査でも、「新薬が慢性腎疾患の進行に対する影響が小さい」との結果が出た。
さらに、骨に対する安全性に関する試験でも、新薬の方が従来薬より骨盤及び脊椎における骨密度の変化率が少なく、脊椎と股関節の骨密度低下を認めた患者の割合も低かった(第48週時点)。
■今後は第1選択の薬に
「安全性は新薬の方が高いですが、効果は従来薬と変わらない。特に最も大きく差が出たのは、腎機能への副作用です。従来薬を用いている患者さんも、腎機能の障害や骨粗しょう症、高血圧などの生活習慣病がある患者さんは、徐々に新薬に替えていった方がいいかもしれません。今後は、新薬が第1選択の治療薬になるとみています」
なお、新薬の副作用として、頭痛、鼻咽頭炎、上気道感染、疲労、咳、悪心が報告されており、発生率は5~10%。いずれも、従来薬TDFでもほぼ同程度見られる。