膀胱がん・腎臓がんの合計患者数は“メジャーがん”並み
これは泌尿器科で「尿スクリーニング」が頻繁に行われるようになったことと関係しているかもしれません。尿には膀胱や尿路の表面から剥がれ落ちた表皮細胞が浮いています。これを顕微鏡で観察して、異常な細胞が見つかれば精密検査となるわけです。尿スクリーニングは簡単な検査なので、排尿障害などの患者によく行われており、それが上皮内がんの大量発見につながっていると思われるのです。他臓器の上皮内がんと同様におとなしい病変で、浸潤がんに進行するケースは少ないといわれています。
死亡数は膀胱がん、腎臓がんとも増加していますが、年齢調整死亡率で見ると、膀胱がんはまったく増えていません。男性ではなんと60年代から変わりなし、女性は長期的な減少傾向にあります。一方、腎臓がんの年齢調整死亡率は、男女とも90年代からジワジワと上昇傾向にあります。