膀胱がんの内視鏡手術数は新規患者数よりはるかに多い
膀胱がんの手術は、開腹で膀胱を全摘する「膀胱悪性腫瘍手術」と、尿道から特殊な内視鏡を差し込んで行う「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)」の2種類です。
腎臓がんは、がんに侵された腎臓の全摘を行いますが、大きく開腹と腹腔鏡に分かれます。〈表〉に男女別の実施件数(2014年度)をまとめました。
膀胱は尿を蓄積する袋です。尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱に流れ込みます。膀胱を切除してしまうと、尿の行き場がなくなってしまうため「尿路変更術」が同時に行われます。お腹にストーマ(排泄口)を作り、そこに袋を付けることになるため、QOLの低下が避けられません。前立腺や精巣などもあわせて切除します。
部分切除ならストーマは不要です。がんとその周辺だけを切り取り、残りを縫い合わせるのです。ただし件数は限られています。また、開腹術にかえて腹腔鏡手術が行われることもありますが、やはりかなり少なめです。
TURBTは、内視鏡で内側からがんを削り取る手術です。膀胱を失う心配はありません。がんの進行度が低く、周辺に浸潤・転移がないと判断されれば、まずこちらを受けることになります。