投与で進行リスク2割減 乳がん治療薬に新たな「第1選択」

公開日: 更新日:

「ホルモン受容体陽性の再発乳がんの特徴として、比較的、術後年数が経ってからの再発例が多い。さらに最初の再発部位の調査では、骨転移が多い傾向にあり、脳転移の出現は平均5年で、脳転移発生後の予後は短いことが判明しました」

■ポイントは抗がん剤切り替えのタイミング

 今回、治療法が変わったのは、ホルモン受容体陽性の、閉経後の進行・再発乳がんだ。

 乳がん治療に使われる主なホルモン剤は、作用メカニズムが異なる「抗エストロゲン薬」「アロマターゼ阻害薬」「LH―RHアゴニスト製剤」「黄体ホルモン薬」がある。初回に使用される薬は、当然ながら、「最も効果が高い」と試験で証明されたものだ。

「かつては抗エストロゲン薬の『タモキシフェン』という薬が第1選択でしたが、アロマターゼ阻害薬の方が効果が高いことがわかり、そちらが第1選択になりました。そして新たに、抗エストロゲン薬の『フルベストラント』が効果が上回るという国際試験の結果が出たのです」

 それにより、閉経後の進行・再発乳がんのホルモン療法の第1選択は、フルベストラントになった。試験では、アロマターゼ阻害薬よりも奏効期間(薬が効いている期間)が約8カ月長く、臨床的有用期間(臨床的に有用性が認められた期間)が3カ月長かった。この薬を使うことで、従来より、病気の進行リスクを20%減少できるという結果も出ている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動