元クリスタルキング田中昌之さん 心筋梗塞が人生の転機に
脳に酸素が回ってないから、意味不明な行動をしながら救急車の到着を待ちました。深夜のサイレンでご近所の人が集まってきてしまったので、そんな中をストレッチャーに乗せられて運ばれるなんて死んでも嫌だったんですけど、「歩ける!」と言うオレの抵抗もむなしく、結局、乗せられちゃいました。あまりのカッコ悪さに“もう終わったな”とがっくり力が抜けました。覚えているのは、救急車の後部ハッチがバタンと閉まった瞬間までです。
ここからはマネジャーに聞いた話になりますが、搬送中に心肺停止になりました。AEDを3回やっても心拍が戻らなかったので、覚悟もしないといけないと思ったそうです。でも4回目で蘇生しました。自分は覚えていませんが、その後は意識が行ったり来たりしていたみたい。おかしいのは、意識が遠のきそうになった自分に名前を呼びかけると、「ハーイ!」と元気に返事をしたってこと。長年染みついた反応ってすごいですね(笑い)。
■当直がカテーテルの名医でラッキーだった
運ばれたのは横浜市立みなと赤十字病院でした。ラッキーだったのは、その日、当直していたのがカテーテルの名医だったことです。心筋梗塞は、詰まった部分の血管を広げることが第一。脚の付け根の動脈から心臓付近までカテーテルを入れて、詰まっているところにステントという血管を広げる金属製の網状の筒を入れたんです。オレの体には今、4つのステントが入っています。ICUに3日間、一般病棟に4日間でもう退院でした。カテーテルの名医のおかげだと思います。