声帯を削った昆夏美さん「新しい喉で新たな可能性を」

公開日: 更新日:

 削ったのは0.1ミリと0.05ミリという半紙よりも薄い粘膜の表皮です。たったそれだけでも「声帯結節」の手術は全身麻酔でした。

 この病気は、声帯にできた“ペンだこ”のようなもの。声を出すときに振動する左右の声帯膜がぶ厚く硬い組織になってしまうことでうまく声が出せなくなる病気です。 2016年10月、私はこの病気で出演するはずだった「ミス・サイゴン」の舞台を休演してしまい、プロとしての責任を果たせませんでした。

 代わりを務めてくれたお二人(トリプルキャストだったため)はもちろん、スタッフ、キャスト、何より期待してくださっていたお客さまを裏切ってしまったことへの申し訳なさでいっぱいでした。それと同時に、自分の一番イヤな部分を自覚した経験でもありました。

 異変は、そのひとつ前の6月の舞台から始まっていました。初日から2日目の朝、突然、声がカスカスになってしまったのです。ハスキーを通り越したあまりの声の出なささに衝撃を感じました。というのも、これまで風邪以外で喉の不調を感じたことはなかったからです。お酒を飲んだ翌朝でさえ、ガサつきひとつなく“私は人一倍喉が強いんだ”と自負していました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題