なかなか治らない胃食道逆流症は「タイプ見極め」が重要
■チェックすべきは4項目
結果、持続性胃食道逆流グループに高頻度で見られる4つの項目が挙がった。
それは「男性」「3センチ以上の食道裂孔ヘルニア」「PPI投与でも治癒しないびらん性食道炎」「1センチ以上のバレット食道」だ。
「4つに該当したからといって100%持続性胃食道逆流とはいえませんが、食道インピーダンスpHモニタリングが簡単にできる検査ではない点を考えると、治療法を考える上での一つの目安になるかもしれません」
4つのいずれにも該当せず、PPIで良くならなければ、抗うつ薬による治療を考えたほうがいいケースもあるのだ。
今回の研究では、持続性胃食道逆流症をさらに「酸性逆流」「非酸性逆流(胃酸以外の体液や空気などの逆流)」に分け、酸性逆流に対するボノプラザンの効果も見た。従来のPPI内服時と、ボノプラザン変更後を比較したのだ。
すると、ボノプラザン変更後の方が胃酸はより強力に抑制されており、食道内への酸性逆流も大幅に減少。「時間比4%以下」を正常とした場合、半数近くの人が正常になり、胸焼けなどの逆流症状も著明に軽快した。従来のPPIの時は6割に胃酸逆流による食道炎が見られたが、ボノプラザン変更後は9割以上が治った。
治らない胃食道逆流症で苦しんでいる人に、光が見えてきた。