なかなか治らない胃食道逆流症は「タイプ見極め」が重要
PPIが効かないPPI抵抗性胃食道逆流症は、「胃酸あるいは胃酸以外の体液や空気が逆流するタイプ(持続性胃食道逆流)」と「これらの逆流がないタイプ」に分かれる。
「『逆流なし』であれば、PPI倍量やボノプラザンで胃酸分泌抑制を強化する治療を行っても効かない。別の治療を検討しなければなりません」
「逆流なし」は原因として精神的因子が考えられており、抗うつ薬などの治療になる。
問題は、タイプをどう見極めるかだ。これには、「食道インピーダンスpHモニタリング」という検査が必要になる。ただ、この検査は鼻から胃までカテーテルを留置して食道の逆流を24時間チェックするもので、だれにでも行えるものではない。そこで秋山医師は、「PPI内服中における持続性胃食道逆流」と「逆流なし」にどんな違いがあるかを調べた。
「持続性胃食道逆流の定義を『酸の逆流が24時間中4%以上』または『逆流回数が48回以上』としました。そして、持続性胃食道逆流のグループと『逆流なし』のグループを比較したのです」