飲むタイミングによって副作用が出やすくなる薬がある
薬の副作用が表れる原因のひとつに「用量」が挙げられます。たくさん使いすぎ(飲みすぎ)てしまうと副作用が出るということです。逆に少なければ効かないわけですから、「決められた量=用量」を適切に使う必要があるというのは言うまでもありません。
用量と同じくらい大切なのが「用法」です。毎食後や寝る前、中には食直前や食直後といった「いつ使うか」「1日何回使うか」を示したものが用法に当たります。こちらも、きちんと守る必要があります。用法を守らないことで副作用が起こってしまう薬もあるからです。
その代表例として「ステロイド薬」が挙げられます。ステロイドの内服や注射は、基本的には「朝」に使います(塗り薬は別です)。ステロイドはもともと、コルチゾールという成分として体内に存在しています。コルチゾールの体内の量は朝に多く、夜には少なくなります。日内変動があるのです。コルチゾールは睡眠の妨げになるため、夜は自然に体内の量が少なくなり、眠りやすくしているわけです。
そのため、コルチゾールと同様の働きをするステロイド薬を夜に飲んでしまうと、目がさえて不眠になる=不眠の副作用が出る可能性があります。ステロイド薬が「1日2回、朝・昼」で処方されていたとしても間違いではなく、「不眠防止」という意図があってのことです。心配はいりません。逆に「夜」も飲むようになっている場合は、一度、医師または薬剤師に確認した方がよいでしょう。