年中鼻詰まりは要注意 蓄膿・不妊・気管支炎の意外な関係

公開日: 更新日:

 動かない線毛は、脳ではセロトニンなどの神経伝達物質のレセプターとして、内耳では平衡感覚を保つため、嗅細胞ではニオイの受容体としての役割を担っている。つまり、線毛の機能異常は、たとえば女性は生理不順や子宮外妊娠、男性は男性不妊、ほかにうつ病やめまいなどのリスクを上げる可能性がある。また、細胞周期にも関係するため、がんにも関係する。しかも、鼻や気道の線毛運動に問題がある人は、他の線毛の動きも悪くなる傾向にあるから厄介だ。

 では、どんな人が線毛症になるのか? ひとつは染色体異常などにより生まれながら線毛機能に異常がある原発性線毛運動不全症(PCD)のケースだ。

「完全な不動線毛や微弱な線毛運動、協調性のない線毛運動などさまざまな症状が起きます。共通するのは、幼少期から慢性の気道感染症に悩まされていることです」

 PCDの患者の約半分は、左にあるべき心臓が右になったり、臓器の配列が乱れたりする。内臓逆位だ。胎児の初期段階でノード線毛が正しく動かず、タンパク質をコードする遺伝子を狂わせて臓器の発生の順番などが乱れることで起きる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」