CAR-T細胞療法 細胞を“とって増やして戻す”新がん治療法

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■次世代系を開発

 もう1つ、血液がんと違ってCAR―T細胞療法が効きにくい理由は、固形がんはがん組織のかたまりだからだ。遺伝子操作して培養し、増やしたCAR―T細胞は点滴で静脈投与する。血液がんであれば簡単にがん細胞を攻撃できるが、固形がんではがんのある場所に到達した上で浸潤し、がん細胞を攻撃しなくてはいけない。

 これらの問題をクリアするために世界各国の研究機関がしのぎを削っている。海外では、肺がん胃がん大腸がん、すい臓がんなどの固形がんに対する研究が進められているが、その見通しは立っていないのが現状だ。その一方で「数年後には第2相くらいまで臨床試験を進めて産業化にメドをつけたい」と吉村医長は強い希望を持っている。

「次世代型CAR―T療法の開発は山口大学の基盤技術から急速に進んでいて、産業化への出口戦略としてバイオベンチャー企業も立ち上げています。昨年には国内の大手製薬会社との提携契約も結んでいます。我々もCAR―Tに即した新規標的を探索し、サポートしたいと考えています」

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