【がんとテロメア】短くなった場所ががん化する

公開日: 更新日:

 がん細胞はテロメアが短いのに、なぜ増殖を続けられるのか。体内の細胞でも「幹細胞」や「生殖細胞」は限りなく分裂を繰り返すことができる。これは「テロメラーゼ」という酵素の働きで、テロメアの長さを維持しているからだ。しかし、普通の正常細胞はテロメラーゼ活性を持っていない。

■膵液の逆流も影響

 もともと正常細胞だったがん細胞は、どのようにテロメラーゼ活性を獲得するのか。

「細胞はテロメアが短くなると、不安定になり異常な染色体ができないように分裂を止めます。P53などのがん抑制遺伝子に変異が起きることで細胞分裂が再開し、テロメアはさらに短くなり変異が起きやすくなる。がん細胞はその不安定になった細胞に、何らかの遺伝子変異が起きることでテロメラーゼが活性化し、がん化したと考えられます。その遺伝子が何なのか特定はされていません」

 逆に言えば、テロメラーゼ活性を抑制する物質が、有効ながん治療薬になる可能性もあるが、他の組織幹細胞や生殖細胞に影響しないかが課題になる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動