【がんとテロメア】短くなった場所ががん化する

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 また、正常細胞のテロメアを伸ばす薬(細胞の老化防止)が開発されても、逆にがん発生の原因になる危険性があるという。

 いま同研究チームが精力的に進めているひとつは、テロメアを短くしてしまう生活や環境のリスク因子の追求だ。一般的にがんのリスクとされる「過度の飲酒」「紫外線」「アスベスト」「たばこ」「膵液の逆流」などが影響した細胞は、明らかにテロメアが短くなることが確認されているという。

「欧米では『瞑想』や『ヨガ』などでテロメアを伸ばす研究が進んでいますが、日本ではまだあまり研究されていません。『鍼灸』『日本食』などでテロメアを伸ばす効果があるか、研究を進めたいと考えています」

 また、高齢化で問題となっている「認知症」「フレイル(衰弱)」などの老年疾患とテロメアの関係も研究テーマという。

▽神奈川県出身。1985年神奈川歯科大学卒後、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科修了(歯学博士・歯科医師)。旧東京都多摩老人医療センター、旧東京都老人総合研究所を経て、2014年から現職。〈所属学会〉日本病理学会、日本老年医学会、日本癌学会など。

【連載】人生100年時代を支える注目医療

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