子宮体がん手術翌年に世界一 矢澤亜希子さん語る壮絶治療
投与と激痛としびれ、それが全部で6回繰り返されました。1回目は激痛がいつまで続くか、先の見えない恐怖で「もう死にたい」と思いました。でも、3回目にはパターンが読めるようになったのでだいぶ楽になりまして、6回目には世界選手権出場に海外へ行きました(笑い)。病院から許可は出なかったのですが、「来年はいないかもしれない」と思ったので……。やはり、やりたいことはやらないとダメ。後悔するのは嫌なんです。
病気以来、「試合で負けても命は取られない」と思えるようになって落ち着きが増した気がします。手術の翌年に目標にしていた世界チャンピオンになれたときはいろんなことが報われた気がしました。まだ、リンパ浮腫や味覚障害など後遺症はいろいろありますけど、手術を受けて本当によかったと思っています。
▽やざわ・あきこ 1980年、東京都生まれ。大学3年から趣味としてバックギャモンを始め、卒業後は仕事でお金を貯めては競技会参加のために海外を転戦。30歳で仕事を辞めてプロ活動を始め、2014年には世界大会で優勝を果たす。現在もほぼ毎月、海外に遠征していて、4月25日にはロシアでの大会に参戦する予定。