子宮体がん手術翌年に世界一 矢澤亜希子さん語る壮絶治療
手術のことも場合分けで考えてみました。最悪は「死」。ただ、その中にも「何もしないで死ぬ」のと、「手術をしたけれど死ぬ」という2パターンがある。どちらがより最悪かと考えました。その結果、後になって「死にたくない」と思ったとき、前者だったら何もしなかったことを後悔するだろうと思ったのです。
主人はこんなことを言ってくれました。「死ぬ選択はいつでもできる。でも、手術という選択は今しかできない。先のことは手術をしてから考えても遅くないんじゃないか」と。それは間違っていませんでした。でも、想像以上に手術がつらかったので後悔したのも、また事実です(笑い)。
■手術の翌年に世界チャンピオンに
子宮からリンパ節まで取ったので、お腹には縦に30センチほどの傷痕があります。手術した日の夜は激痛で麻酔から目覚めました。痛み止めを追加してもらいたかったのですが、痛過ぎてナースコールも押せなかったのです。そんな痛みにも1週間ほどで慣れてきて、術後2週間後からは抗がん剤治療が始まりました。それがまた激痛で……。投与は月1回ですが、そのたびに10日間ぐらいは体中に画びょうが刺さっているような痛みと、時々ナイフで刺されるような激痛があるんです。激痛が引いてもしびれが常にあり、まともには歩けません。