急性骨髄性白血病<3>「長男提供の骨髄液で助かると…」

公開日: 更新日:

■6月に「肺水腫」を発症

 入院から13日目の5月21日、移植の日を迎えた。前日から入院していた骨髄液提供者の長男は、入院棟から手術室に移動。腰椎から骨髄液を抜く準備に入っていた。目標は800ミリリットルである。

 無菌室で手術を待つ高松さんに、担当医師が「これが息子さんの骨髄液ですよ」と血液が入ったビニールパック3個を見せてくれた。息子から採取した骨髄液のあまりの多さに、高松さんは感極まり枕を濡らしてしまう。

 やがてCVポートにチューブ、骨髄液が入ったパックをつなぎ、移植がスタートした。長男の血液が、母の体内にゆっくりと流れていく。

 途中、点滴棒を押しながら、ドナー提供の長男が笑顔で入室してきた。母に元気な姿を見せたかったようで、またここでも高松さんは胸を熱くしてしまう。

 骨髄液の移植は約3時間で終了した。心配していた拒絶反応(生着不全など)もない。ところが6月に入って、「肺水腫」が発症する。


 治療のため、集中治療室に2週間入院した。もう体は衰弱しヨロヨロの状態である。しかし、すべての治療が終了し、8月9日に退院した。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動