応用の幅が広がったゲノム編集が食卓を変える日も近い?
ヒトの受精卵の段階で遺伝子を改良する「デザイナーベイビー」の実現が話題になっていますが、この研究では、期待通りの性質を持った「デザイナーピッグ」は、すでに実用化されつつある、というわけです。
日本では、筋肉量を増やした「マッスル鯛」が話題になっています。動物にとって筋肉は必要不可欠ですが、増えすぎるとエネルギーの消費も増えるため、自然界では逆に不利になります。筋肉が増えすぎるのを抑えるのが「ミオスタチン」という酵素です。近畿大学の研究チームは、鯛のミオスタチンの遺伝子をノックアウトすることにより、通常の2倍の筋肉量を持つマッスル鯛を生み出すことを目指しているそうだ。
ほかにも穀物の収量を増やしたり、病気に強い柑橘類を開発したりと、農作物や家畜、魚などで、成功例が多数報告されています。ゲノム編集で生まれたそれらの食物が、われわれの食卓に上がるのも、そう遠くなさそうです。