余命6カ月の宣告に頭が真っ白 治療を希望しないことに…
その後、MさんはGクリニックで抗がん剤治療を開始しました。すっかり元気が戻り、「何も治療しないで死を待つのはつらい。治療してどうなるか分からないが、たとえ明日死ぬにしても、今日、リンゴの木を植えるのだ」と娘さんに話し、また畑仕事を始めたそうです。
膵臓は腹部の奥にあることからがんが見つかるのが遅くなり、その後の命が短くなってしまう患者さんが多いといえます。最近では、沖縄県のために命を懸けて頑張ってこられた翁長雄志沖縄県知事が膵臓がんで亡くなりました。しかし、G医師が言われるように、膵臓がんの患者さんのすべてが短命というわけではなく、進行していても治癒された方もいらっしゃいます。
抗がん剤を毛嫌いする医師はまだまだ多くいます。しかし、F医師の「抗がん剤は人間の尊厳をダメにする」という言葉は大きな誤解なのです。
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