糖尿病でも脳卒中・心筋梗塞のリスク減らす5つのポイント
「研究で興味深いのは治療の恩恵は年齢を重ねれば重ねるほど大きかったことです。55歳未満、55歳以上65歳未満、65歳以上80歳未満、80歳以上と年齢別に分析したところ、糖尿病が関連する心血管イベントなどのリスク減少幅は80歳以上の集団が最も大きかったのです」
とくに5つの目標値をすべてクリアしている80歳以上の患者の急性心筋梗塞のリスクは糖尿病のない人たちに比べて38%も低下していたという。一方で、5つの危険因子をすべて放置したままの55歳未満の患者では、心筋梗塞は7.7倍、脳卒中は6.2倍、心不全は11.4倍、死亡が5倍と、リスクが大幅に上昇していた。むろん、この結果がすべて正しく、日本人にあてはまるとは言えないが気になる。
5つのリスク因子を下げるには、どのような治療が好ましいのか?
■高血圧の飲み薬で尿中アルブミンも下げる
「尿中アルブミンの基準値18㎎/gを超えると腎症とみなされ、その値が300を超えると数年以内で人工透析が必要となるといわれます。私の医院では18を超えた時点で尿中アルブミンにも効果があるテルミサルタンやアゼルニジピンなど数種類の高血圧の薬を使います」