子供の難病HAEとは? まぶた・唇・咽頭などが突然腫れたら
ところが、鑑別診断が必要な病気の末尾にHAEがある、そもそも鑑別診断のリストに入っていない、あるいはHAEが認知されていないなどの理由から、誤診され、確定診断に至らないケースが珍しくない。
「生理痛や子宮内膜症と言われた女性患者や、消化器の浮腫を腸閉塞など別の病気と間違われ、開腹手術をされてしまった方もいます」(堀内病院長)
認知度の低さは病気の中でも群を抜いており、一般の人で知られていないのはもちろん、10万人以上の医師が参加する医師専用インターネットコミュニティーサイトの会員を対象に行ったアンケート調査では、「HAEを知らない・聞いたことはない」「どのような疾患か詳しく知らない」と答えた医師は約9割を占めた。
9歳で発症したある患者は関東圏の複数の大病院で原因がわからず、夫の転勤で九州に引っ越した35歳の時、たまたま受診した病院で堀内病院長と出会い、その時のことを「初めてHAEを知っている医師に出会った」と話す。
■新薬が登場するも…
HAEは、多くの機能を持つタンパク質C―1インヒビターが生まれつきないことが原因(C―1インヒビターの異常以外のHAEもある)。50%の確率で遺伝し、男女差はなく、大半は20歳までに発症する。