進行・再発乳がん…副作用少なく“安定期間”延ばす薬が登場
つまり、CDK4/6阻害剤によって内分泌治療の期間は延びる。一方で、抗がん剤治療も含めた“何年生きられるか(全生存期間)”になると、CDK4/6阻害薬では有意に延びない。しかし前述の通り、これまで通りの生活を送りながらできる内分泌治療が延びる意味は大きい。
「今回のCDK4/6阻害剤は、いわば第1世代。今後はより副作用が少なく、より効果が高い第2世代、第3世代の薬が出てくるでしょう。治療の選択肢が増えることは確かです」
CDK4/6阻害剤は下痢や白血球減少などの有害事象が指摘されているが、対処可能な範囲内だ。3割負担で約30万円。高額療養費が適用されるが、負担は大きい。
なお、冒頭の①と②に該当しても、全てにCDK4/6阻害剤が必要とは限らない。内分泌治療が非常によく効くタイプなら、この薬を使わなくても、5年、10年の延命が期待できる人もいる。