進行・再発乳がん…副作用少なく“安定期間”延ばす薬が登場

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「脱毛や薬の副作用で日常生活を送りづらくなる抗がん剤治療に対し、内分泌治療はこれまで通りの生活を送りながら治療ができます。だから、内分泌治療を延長し、抗がん剤治療開始を遅らせる治療の研究が進められてきました。そういった意味で、新薬は非常に画期的なものです」

■日常生活を送りながら治療できる

 新薬は、乳がんの増殖や転移に関係する酵素、CDK4とCDK6の働きを抑制するメカニズムを持ち、「CDK4/6阻害剤」という。これを内分泌治療に併用して投与すれば、無増悪生存期間(がんが進行せず安定した期間)が約2倍延長するという結果が出た。

 CDK4/6阻害剤には、2017年9月に承認された「イブランス(一般名パルボシクリブ)」と18年9月に製造承認された「ベージニオ(同アベマシクリブ)」がある。“約2倍延長”というのは、後者の臨床試験の成績だ。

「化学構造式は異なりますが、どちらもメカニズムは同じですので、臨床試験の無増悪生存期間は、先に承認されたCDK4/6阻害剤も同等です。また、先の薬パルボシクリブの全生存期間は、プラセボ(偽薬)より約7~10カ月延長。しかし、有意差では『ない』との結果でした。後のアベマシクリブについても、解析が済んでいないものの、全生存期間の結果は同等だとみています」

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