長く続く白い便と茶色の尿…胆道がんのサインを見逃すな
「胆汁は流れが止まって肝臓内に蓄積していくとビリルビンが血液に逆流し、血液中のビリルビン濃度が上がります。その結果、皮膚や目の白目など体全体が黄色に染まる。これが黄疸です。黄疸になると黄疸尿といって濃い茶色の尿に変わるほか、胆汁内の胆汁酸がビリルビンとともに血液中に流れ出るようになり体全体がかゆくなります」
つまり長く続く白い便は黄疸と同じで、胆汁の経路や肝臓などの異常を知らせるサインなのだ。
「ただし、白い便は子供などのようにウイルス性の腸炎でもあらわれます。黄疸や黄疸尿、皮膚のかゆみがなく、周りに同じような白い便が出ている人がいて、数日でそれが正常な便に治るようならウイルス性の腸炎の可能性が高いといえます。逆に自分だけ白い便が何日も続き、黄疸尿やかゆみが出るようなら胆石やがんを疑う必要があります」
胆汁の通り道にできるがんの総称である胆道がんは、胆管がん、胆のうがん、乳頭部がんに分かれる。数が多いのが胆管がんと胆のうがんだ。胆管は肝臓から十二指腸までの胆汁の通り道で、長さ10~15センチ、太さ0・5~1センチの臓器。一方、胆のうは胆汁を一時的に保管する袋で、食事をすると胆汁を十二指腸に放出し消化を助ける。