長く続く白い便と茶色の尿…胆道がんのサインを見逃すな
「胆管がんは胆管の内側の表面を覆う粘膜にできる悪性腫瘍です。一方、胆のうがんはこの袋の部分にできるがんで、とくに発症しやすいのは、先天的に膵胆管合流異常がある人です。膵管と胆管が十二指腸の手前で合流し、膵液と胆汁が逆流し問題を起こすからです」
■初期の段階では無症状
2016年2月集計の全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査によると胆管・胆のうがんの5年生存率は1期60.1%、2期26.7%、3期17.3%、4期2.9%と極めて厳しい。早期発見した場合を除いて有効な治療手段が確立されていないからだ。しかも、胆管・胆のうがんなどは自覚症状が乏しく、早期発見自体が難しい。
日本肝胆膵外科学会編の「胆道癌診療ガイドライン」(改訂第2版)によると、胆道がんを疑う症状は「黄疸」「右上腹部痛」「体重減少」などだが、初期は無症状だという。胆管がんは欧米からの報告では84~90%は黄疸で見つかるが、日本では半数にすぎず、25%は腹痛から見つかるという。胆のうがんは右上腹部痛が50~80%と最も多く、黄疸、悪心・嘔吐、体重減少と続く。乳頭部がんでは黄疸が72~90%と最も多いが、黄疸がなければ腹部エコー、上部消化管内視鏡検査で偶然発見されることがある。