著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

酸化の連鎖抑制に関係 老化防止にビタミンEとCが必要な理由

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 突然ですが皆さんは立ったまま靴下をはけますか?

 無理という人は、すでにロコモが始まっているかもしれません。気をつけないと、ちょっとした段差でつまずいたり、理由もなく転んだりするかもしれません。

 ロコモの原因のひとつは関節や骨などの故障ですが、筋肉をコントロールする神経の衰えが原因であることも多いといわれています。そしてその原因が、神経の細胞膜の酸化であると考えられています。

 活性酸素の悪影響のなかで、最も注目を集めているのが不飽和脂肪酸の酸化です。神経に限らず細胞はすべて、脂質(脂肪酸とコレステロール)でできた細胞膜に包まれています。そして不飽和脂肪酸こそ、その重要な材料だからです。

 不飽和脂肪酸を多く含んだ細胞膜は、薄くて丈夫でしなやかです。必要な栄養素を外部から取り入れるにも、不要になった老廃物を外部に排出するにも有利です。特に神経細胞では、筋肉を動かす電気信号をスムーズに伝達するのに適しています。

 ところが、不飽和脂肪酸は酸化されやすい。ミトコンドリアで発生した活性酸素の一部は、細胞膜の不飽和脂肪酸を酸化してしまいます。しかも1カ所でも酸化されると、周囲に連鎖反応が起こって、膜全体がどんどん劣化してしまうのです。神経細胞でそれが起こると、電気信号が伝わりにくくなるため、筋肉の制御がうまく取れなくなってきて、ロコモ状態に陥っていくと考えられています。

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