食べて吐いての繰り返し…秋本啓之さん語る過食嘔吐との闘い

公開日: 更新日:

 後日、大学内の診療所でカウンセリングを受けて「過食嘔吐による摂食障害」と診断され、その後は数カ月間、その岡田先生の家で下宿生活を送りました。朝晩、先生の奥さんが作る健康的な手料理を食べ、学校や練習場に通う日々。それでだんだん過食嘔吐の頻度は減っていったものの、自宅に帰るとやっぱりダメで、2~3年は治りませんでした。

 完全に治ったきっかけは、階級を1つ上げたことです。それを決断できたのは2008年の全日本の欧州遠征でした。3連戦の2戦目で、筋肉の収縮が起きたのです。まるで電気刺激で筋肉を鍛えるパッドを付けたように腕や腹筋が勝手にぴくぴくと収縮運動をするんです。そんなこと初めてだったのでびっくりしました。そして次の試合ではお尻の肉離れ……それが決定打でしたね。

 ちょうどその頃から柔道もポイント制が導入され、コンスタントに試合に出ないとシード権が得られないようになりました。つまり、連戦ができないと勝ち上がれない。このままの階級では続けられないと悟ったのです。

 柔道で1つ階級を上げるということは、とても勇気がいることです。相手の体の大きさや手足の長さはものすごく試合に影響しますからね。でも、フタを開けてみたらとんだ取り越し苦労で……。階級を1つ上げた初の大会だった2009年の講道館杯で優勝したんです。こんなことなら、もっと早く階級を上げればよかったと思いました(笑い)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇