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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

開始は9月 英国が子宮頸がんワクチンを男女接種にする意味

公開日: 更新日:

 HPVには複数のタイプがあり、ワクチンは2つ。2種のウイルスをカバーするサーバリックスと4種を対象とするガーダシルで、ガーダシルなら尖圭コンジローマの予防にもなります。早期にワクチンを導入した国では、子宮頚がんが最大9割減少したと報告されていますから、予防効果はとても高い。

 男性へのHPVワクチン接種を勧める国はほかにもあります。その代表がオーストラリアで、女性への接種から遅れること6年後の12年に男性への接種をスタート。16年の調査によると、14、15歳の接種率は、女性が78%、男性が70%です。

 ひるがえって日本の接種率は、1%程度。13年4月から予防接種法に基づいて無料接種が可能になりましたが、副反応問題が浮上し、今にいたっています。

 その後の調査で、接種後のさまざまな症状は、ワクチンの影響ではないということで意見がまとまりつつあります。そうなると今後は、接種再開した学年から子宮頚がんが減り、それまでの学年は子宮頚がんの悲劇が続くという可能性も指摘されるなど、ちょっと心配な状況です。

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