【胃】40歳を過ぎたら内視鏡検査かABC検査を受ける
ABC検査は、ピロリ菌の感染を示す「ピロリ菌抗体」と、胃粘膜の萎縮の程度を表す「ペプシノゲン」の血中濃度を測定する検査。この2つの検査の陽性(+)と陰性(-)の組み合わせで、胃がんの危険度をA~C群の3つのグループに分けて評価する。
A群は胃がんのリスクが非常に低い。B群はA群に比べて約10倍のリスク。C群はA群に比べて約20倍のリスク。たとえピロリ菌を除菌しても胃粘膜の萎縮はすぐには元に戻らない。ABC検査の結果で、定期的に内視鏡検査を受けた方がいい間隔がある程度分かる。完全に安全というエビデンスはないが、一般的にはA群は最低5年に1回、B群は2~3年に1回、C群は1年に1回が目安になるという。
もうひとつ、高齢化に伴い近年、胃潰瘍の原因として問題にされているのが「薬剤性潰瘍」だ。
「中高年になると腰や膝の痛みなどの症状を抱える人が増えるので、エヌセイズ(非ステロイド性抗炎症薬)を常用している人がたくさんいます。エヌセイズは胃粘膜を保護するプロスタグランジンという物質を作る酵素を阻害するのです。そのため胃潰瘍になりやすい。ピロリ菌に感染していてエヌセイズを飲んでいる人はダブルパンチで最悪です」