格闘家の征矢貴さん「クローン病」との壮絶バトルを語る
僕は短い方でしたが、生物学的製剤を長く使っている人ほど、苦しい期間も長いと聞きました。今は、調子が悪い時に漢方薬を飲む程度です。鍼はお守り的に週1回通っています。
この病気は自分の免疫力が正常な組織を攻撃してしまうので、多くの治療では免疫力を抑える薬が使用されます。でも、それは一時的に症状を抑えるだけで、薬に頼る体をつくってしまう。根本的には逆に免疫力を上げることが寛解への道。その過程では壮絶な闘いがありましたが、乗り越えた僕は今、薬からも症状からもほぼ解放されました。
免疫機能を狂わせる主犯はストレスだと思っています。なので、なるべくノンストレスで生きていこうと思うようになりました。まあ、生きていればノンストレスなんて無理ですけど、トレーニングはどうしたら短時間で集中してできるかを考え、生活ではなるべくポジティブな人の近くにいるようにしています。
(聞き手=松永詠美子)
▽そや・たかき 1994年、千葉県生まれ。15歳で総合格闘技道場「パラエストラ松戸」に入門。総合格闘技団体「修斗」のアマチュア選手権で頭角を現し、2012年にプロデビュー。その試合でKO勝ちし、翌年には修斗バンタム級新人王とMVPを獲得する。18年に病気を公表して療養後、19年には総合格闘技団体「RIZIN」で復帰し、勝利を収めた。