糖尿病女性は42%も発症抑制 低用量アスピリンの認知症予防効果は本物か
グループは「今後、研究を進めていくことで、低用量アスピリンが認知症予防薬として活用されることが期待される」としている。
■“もろ刃のの剣”で市販薬の内服は危険
認知症のひとつアルツハイマー病とアスピリンを巡っては、米ラッシュ医大の研究も興味深い。アルツハイマーは、アミロイドβと呼ばれるタンパク質が脳内に蓄積することが発症の一因とされるが、ラッシュ医大のチームは昨年、アミロイドβを除去する機序を解明。アルツハイマー病のモデルマウスに低用量アスピリンを1カ月経口投与したところ、それが除去されていたという。
国内の糖尿病患者は、予備群を含めて2000万人(「国民健康・栄養調査」2016年)。国民病ともいうべき糖尿病があると、アルツハイマー病は1・5倍、別の認知症のタイプである脳血管性は2・5倍も発症しやすい。認知症予防でも糖尿病対策が重要だけに相次ぐ低用量アスピリンの効果は見逃せない。
低用量アスピリンのパワーの源が、米ラッシュ医大が見いだしたメカニズムそのものなら、認知症対策で希望が持てるが、一筋縄ではいきそうもないという。