著者のコラム一覧
平山瑞穂小説家

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

何かをうまくできない夢を見て目覚めた時はほぼ低血糖

公開日: 更新日:

 最近は血糖コントロールもだいぶ安定しているものの、一時は意識障害に至るような低血糖も頻繁に起こしていた。

 そんな時、頭に自然と繰り返し浮かんできた情景がある。現実の光景とは別に、白昼夢のような形で脳内にそのイメージがあふれ出してくるのだ。

 ひとつは、寂寥(せきりょう)とした小さな丘だ。ゴツゴツした岩がところどころから露出している荒れた地面の隆起を、一人で登っているような感じがする。

 もうひとつは、低いところを流れている川。幅10メートルもなく、水量も乏しいが、両側に一応、石が敷き詰められた河原があり、丈の高い急角度の土手に挟まれている。

 僕はたいてい土手の上から、はるか下方を流れるその川を眺めている。そこに引かれる気持ちがある一方で、「近づいてはいけない」と感じてもいる。

■「早くてを打て」と本能が警告

 自分が死に瀕していると本能的に察知する結果、「渡ってはいけない三途(さんず)の川」がイメージ化されているのかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由