腎臓<下>人工透析にならないための対策 3つのポイント
腎不全が進行すると尿検査で(+-)(+)として表示されるのが「尿タンパク」。しかし、はっきり尿タンパクが検出されてからでは腎不全が急速に進むので遅すぎる。そこで糖尿病患者が注目したい検査項目が「尿中アルブミン検査(同時に尿中クレアチニン値も測定)」。「微量アルブミン尿」は糖尿病性腎症の早期に検出され、腎不全の進行を食い止めるには遅くとも微量アルブミン尿までの段階で治療をすることが大切という。一方で、糖尿病では尿タンパクが乏しいCKDも存在するので注意が必要だ。
■痛み止めは要注意
高血圧が原因で起こるCKDの「腎硬化症」も、透析に至る原疾患では3番目に多い。
「腎硬化症は『細動脈硬化』といって、糸球体に血液を送る細い動脈を含めた小・細動脈に、高血圧による圧力がかかり続けます。血管壁が厚くなって血管内腔が細くなった結果、糸球体の血流が悪くなり、ネフロン数も減少します。そして、やがて腎臓そのものも硬く、小さくなります」
腎硬化症では血尿はなく、尿タンパクも陰性か軽度にとどまるため、発見が遅くなるケースがある。早期発見のポイントはGFR(糸球体ろ過量)推算値の低下、長期にわたる高血圧の病歴、夜間尿の出現などだ。