咳やくしゃみは生体防御反応…我慢するとこんなに危ない
ほかにも、「圧迫骨折」「鼓膜破裂」のほか、脳の脊髄を覆う硬膜に穴が開いてその中の脊髄液が漏れる「脳脊髄液減少症」や「硬膜下血腫」などを起こす場合もある。
「中でも多いのが背骨の圧迫骨折です。骨が弱っている高齢者のほかにも無理なダイエットをして栄養バランスが崩れている若い女性に起こりやすいことが知られています。咳やくしゃみの衝撃で背骨の弱い部分が骨折して、激しい痛みで動けなくなる場合があるのです。潰れた骨が神経を刺激して、しびれや麻痺を起こすことがあります。また、耳の中を傷つけて鼓膜破裂以外に外リンパ液が中耳に漏れて聴覚・平衡障害を起こすケースも珍しくありません。咳は、くも膜下出血を引き起こす脳動脈瘤破裂の原因として挙げられています。血圧を上げる原因になるからです」
目へのダメージも無視できない。くしゃみをして白目が赤くなる人がいるが、静脈圧が高まり、目の表面の血管が破綻して、結膜下出血が起こるからだ。
これは時間が経てば自然に治る病気だが、くしゃみをしたときに飛蚊症が起きて、調べてみたら網膜剥離や硝子体出血が見つかるケースもあるという。