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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

胃がんは内視鏡とX線 企業と自治体の検診 使い分けのヒント

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 乳がんは、X線によるマンモグラフィーが基本。しかし、高濃度乳腺とよばれるタイプの乳房の方は、マンモだと見逃しリスクが高い。そういう方は超音波との併用がベターです。自治体検診でエコーを受けられるなら、受けるといい。

 3つ目は、大腸がんについて。基本は検便で、2日分を採取します。3年続けて、延べ6日分を採取すると、がんの発見率は理論上97%と100%近い正確さです。検便で潜血が確認されると、がんのほかポリープや潰瘍など大腸の異常を知らせる手がかりとなり、内視鏡の精密検査を受けることになります。

 問題は、その精密検査の受診率の低さです。乳がん肺がん胃がんは8割を超えたのに、大腸がんは71%にとどまっています。その理由は、時間がない、費用がかかるだけでなく、多くの人が「痔のせいだろう」をあげるのです。

“痔主”なら便の出血を「いつものこと」と思うかもしれませんが、痔だけが原因で検便が陽性になるのはわずか2%といわれます。

 大腸がんは、多くが腸の深いところにできるため、便はまだ固まっていません。そこでの出血は便とよく混ざるため、説明書の指示通りまんべんなく採取すれば陽性になりやすい。

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