「仮面高血圧」放置すると脳卒中や心筋梗塞リスクが2倍以上
仮面高血圧には、早朝高血圧、昼間高血圧、夜間高血圧がある。通常、血圧は起床後、日中に向けて上昇していき、夕方から夜に向けて下降していく。就寝中は血圧が一日の中で最も低い。
つまり、本来血圧が低いはずの夜間や早朝に血圧が高いということは何らかの異常が生じている可能性があり、また、日中基準値を超えて血圧が高いということは職場や家庭などの精神的ストレス、身体的ストレスが過剰であると考えられる。
夜間高血圧には、就寝中に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群、循環器血液量の増加、自律神経障害などが関係している。
早朝高血圧では飲酒との関係も大きい。飲酒直後は血管が拡大し血圧が下がるが、それが寝ている間に上がっていき、起床直後の血圧を上げる。
「短時間作用型の薬で、朝の内服による薬効が翌朝までもたず、夜間から早朝の血圧管理が不十分になり、夜間高血圧、早朝高血圧を招いている可能性もあります」
気が付きにくい仮面高血圧だが、放置による害は大きい。正常血圧の脳卒中や心筋梗塞の危険性を1とした場合、診察室血圧が正常でも仮面高血圧の人は2倍以上になるとの研究結果がある。