「仮面高血圧」放置すると脳卒中や心筋梗塞リスクが2倍以上
健康診断や病院で測った血圧が正常範囲でも、注意しなくてはならない場合がある。それが「仮面高血圧」だ。帝京大学医学部衛生学公衆衛生学准教授の浅山敬医師に話を聞いた。
「血圧には、診察室血圧、家庭血圧、自由行動下血圧という3つの測定方法があります」(浅山医師=以下同)
診察室血圧は、診察室という特別な環境下で行う血圧測定のため、普段の血圧の状態を反映しづらい。医師らの白衣姿に緊張して血圧が上がる「白衣高血圧」となるケースもある。
一方、家庭で測る家庭血圧は「測るのは朝、朝食前」などと測定条件を揃えやすく、リラックスした環境で測定できるので偏りが出にくい。自動で血圧を測定する装置を24時間つけ、30分または1時間おきに血圧を測定する自由行動下血圧は、24時間の血圧の変動を知ることができ、信頼性が高いが、夜眠りづらくなるなど負担が生じる。
「診察室血圧の高血圧基準と、家庭血圧や自由行動下血圧といった診察室外血圧では基準値が異なります。診察室血圧は基準値範囲内なのに、家庭血圧や自由行動下血圧で高い数値が出る場合を『仮面高血圧』といいます」