心臓が悪ければ安静第一は間違い 適度な運動が予後を良くする
「過去の心臓リハについて調べた研究は、90%以上が心臓の収縮機能が低下した比較的若い心不全患者が対象で、高齢フレイル患者や収縮機能が保たれた患者は対象にしていませんでした。アジア人のデータもなく、2000年以前に行われた研究で、現在の標準的な心不全治療を受けていない患者さんが対象でした」
■死亡リスクが3割減少
この世界初の多数例の研究で明らかになったのは、心臓の収縮機能が保たれた心不全においても、心臓リハが非常に有効であるということだ。
まず、心臓リハを行った心不全患者では、死亡及び再入院のリスクが23%減少し、死亡リスクが33%減少、再入院リスクが18%減少した。
次に、フレイルの程度がひどくなるほど、死亡・心不全入院の割合が上昇するが、軽度から中程度のフレイルの心不全患者で、心臓リハを行っていた患者は予後が良好だった。
「さらに収縮機能が低下した心不全、収縮機能が保たれた心不全に分けてみても、どちらも心臓リハを行った患者さんは予後が良好でした」