心臓が悪ければ安静第一は間違い 適度な運動が予後を良くする

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 心不全の治療には薬物療法と、ペースメーカーや植え込み型除細動器といったデバイス治療がある。薬はこの数年でも新薬がいくつも登場し、最近は糖尿病の治療薬SGLT2阻害薬が心不全に有効であることも研究で証明されている。

「ところが、これらは収縮機能が低下した心不全に対しては有効ですが、収縮機能が保たれた心不全には有効性は明らかになっていません。世界中の製薬会社や研究者が収縮機能が保たれた心不全の予後を良くするための臨床研究を行っているものの、効果が証明されたものはありません」

 だから、収縮機能が保たれた心不全に対しては、症状を改善する対症療法が中心となる。神谷教授らは、収縮機能が保たれた心不全患者は高血圧など多くの併存症があり、高齢フレイル(身体的機能や認知機能が低下し、要介護へ移行する中間の段階)の人が多いことから、運動療法を含む包括的な介入が特徴である心臓リハビリテーション(以下、心臓リハ)に着目。

 全国15の病院に心不全で入院した患者4339例を対象に、取り込み基準に該当する3277例のデータを解析して、心臓リハ実施の有無による予後の違いを比較した。

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