「爪が黄色い」患者さんを検査すると肺に胸水が見つかった
下肢に少しむくみがある程度で、ほかに体表には異常なし。3年ほど前に肺炎の既往があり、少し息切れがするとのことでしたが、酸素飽和度は96%とこちらも問題ありませんでした。
聴診の後、胸部X線写真検査を行ったところ、左右の肺に胸水を認めました。特に右が多く、すぐに胸部CT検査となりました。結果は、肺線維症があり、肺結核、肺がんは否定的でした。がんによる胸水(がん性胸膜炎)ではありませんでした。
結局、とてもまれな病気ですが「黄色爪症候群」と診断しました。原因はリンパ系のトラブルではないかと考えられていますが、胸水と黄色い爪の関係は分かっていません。それでも、胸水がコントロールされると黄色い爪の色は良くなるのです。この女性は定期的に呼吸器内科で診てもらうことにしました。
3カ月経って、呼吸器内科を受診した後、その女性が私のところに寄ってくれました。爪の色は変わっていませんでしたが、体調は良好で元気でした。
■抗がん剤の副作用で爪が変色することも