寒い冬にぐっすり眠るには温度・湿度・体温の調整が大切
「体の表面の温度が上がると深部体温も上がりますが、深部体温がある程度まで上がると今度は汗をかいて放熱し、深部体温が下がります。逆に体の表面が冷えると、深部体温を上げようとします。気温が低くなる冬の睡眠は、いかに深部体温の上下動のリズムをコントロールできるかが重要になります」
まずは寝具を見直したい。最近は羽毛の掛け布団を使っている人が増えているが、冬は体に毛布を掛け、その上から羽毛布団を掛けて寝ているケースがほとんどだろう。しかし、深部体温をしっかり下げて熟睡するためには、羽毛布団の上から毛布を掛けるほうがいいという。
「羽毛布団を下にすると布団の中の湿度と温度を適度にコントロールすることができます。毛布が下の場合、就寝中にかいた汗がうまく放熱されないため、深部体温が下がらなくなってしまいます。一方、通気性が高い羽毛布団が体に直接触れていると、かいた汗を吸収して放熱が促されるので、深部体温を適度に下げることができるのです」
敷布団も大切だ。ベッドで寝ている人はそれほど気にする必要はないが、床や畳の上に直接、布団を敷いて寝ている場合、下から熱がどんどん奪われていく。その結果、体の表面が冷えて深部体温が上がってしまうのだ。敷布団の下にはまずマットレスや毛布などを敷いて、下から熱が逃げないように対策したい。