肉をたくさん食べる男性は死亡リスク上昇 9万人調査で判明
では、これらの結果から、肉類の摂取は控えるべきか? 私の意見は、「肉も魚も偏りなく食べてほしい」です。
糖尿病治療では、さまざまな食品をバランス良く取ることが非常に大事です。「絶対に食べてはいけない食品」はなく、同時に「これだけは絶対にたくさん食べなくてはならない」という食品もありません。強いて言えば、摂取量が少なくなりがちな野菜や海藻類、キノコ類などは意識して積極的に食べてほしい、というところでしょうか。
■女性はリスク低下傾向
高齢になると、フレイルやサルコペニア予防のために、いかにタンパク質をたくさん摂取するかが重要課題になります。
フレイルとは「加齢に伴い体の予備能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態」であり、サルコペニアは「筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態」。フレイルとサルコペニアの予防は、すなわち寝たきり予防になり、健康寿命を延ばすことにつながります。
ご存じの通り、肉類などの動物性食品は良質なタンパク質源です。「肉をたくさん食べている人は健康で長生き」という言葉を聞いたことがありませんか? 健康だから肉をたくさん食べられるのか、肉をたくさん食べられるから健康でいられるのか、どちらが正解かははっきりしないものの、タンパク質を十分に摂取し、何歳になってもアクティブに活動できている人は、健康で長生きしているという印象を私も持っています。